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暗がりで人違いで処女を襲う


歌川国貞『春色初音之六女』より

画について

真っ暗闇の中で襲われているのは、まだ12歳の少女のみどりちゃん。彼女は遊郭にお勤めしています。

襲っているのは、彼女の勤めるお店の抱え主。暗がりのため、彼が惚れている花魁と見間違えて、彼女に襲いかかりました。

書き入れ原文

「鬼兵衛が強婬、お蝶と思い違えて暗夜(くらがり)に禿(かむろ)の緑(みどり)をなやます」

鬼兵衛「コレサコレサ、お蝶。そんなにいやがって逃げることがあるものか。おれが言うことをきけば、何もかも望みの通りにしてやろう。今までのように、二階の花魁たちにまで気をおいて機嫌をとるようなことはさせないわな。明日っからは御飯(おまんま)の時もお給仕をつけて、美味(うま)いものをたやさず食べさせて、着物でも頭のものでも、流行物をばこしらえてやるぜ。コレサコレサ、アアー、どうもこたえられない肌ざわりだ。アレ、このすべすべと柔らかなとこをいじっちゃア、モウモウモウ堪忍がならなくなってきた。ナニナニ、痛くないように、そろそろとしてやるからやるから、少しのうち堪(こら)えていな」

(といえども、禿(かむr)は夢うつつの境(さかい)もわからず、暗がりにて主人の声に恐れ、ものも言わずふるえていれば、お蝶と心得、かの鬼兵衛は心急(せ)くまま加減もなく、今年十三になる禿の可愛(かわゆ)らしき股座へ、八寸胴返しの恐ろしき一物をずぶずぶずぶと押し込めば、禿はワアッと泣きいだし)

緑「アレヨウ、死にます死にます」

鬼兵衛「フウ、おれも、死ぬようにいい心持ちだ。ハアハアハア」

中野愛梨コメント

少女の身につけているお着物の柄に、やっこさんとか亀とか描かれていて、いかにも子供だということがわかり、それを見ると、少女の痛々しさをより一層感じてしまいます。。

絵師紹介:歌川国貞

天明六年(1786年)、江戸本所の竪川の五ツ目に渡し船の株を持つ材木問屋の家に生まれた。幕末の浮世絵師。初代歌川豊国の門人。のちの三代目歌川豊国。

22歳で浮世絵界にデビューしてから79歳で亡くなるまで、江戸で大人気の歌舞伎の舞台を描いた役者絵や、美しい女性を描いた美人画、武者絵、風景画など、幅広いジャンルで描きつづけた。「江戸文化のすべて」を描き、人々に伝えた。殊に、役者絵と美人画で名声を得た。また「源氏絵」ブームを巻き起こし、歌舞伎にも影響を与えた。

元治元年(1865年)、79歳で死去。墓所は亀戸の光明寺にあり、墓も現存している。

国貞の作品が持つ、現代にも通じる斬新なデザインセンスのため、現代のわたしたちも、江戸文化を紹介した資料や、飲食店の看板、商品のパッケージなどで目にすることが多い。

耳であじわう《艶声春画》

当記事に掲載したように、《艶声春画》イベントでは、春画の解釈や書き入れなどを、耳で聴いてわかりやすい言葉で解説したり朗読したりしてゆきます。

お仕事帰りなどに、しっとりした艶声のひとときをお過ごしください。

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