艶声ドットコム

心中しようとしている恋人たち


歌川国芳『花以嘉多』より

画について

夜を表すために空を黒く塗りつぶしたことで、当時、この画は斬新であったそうです。若い男女が「心中しましょう」と言いながら、これを最後と交わろうとしています。それを見ていた小人の真似ゑもんは、闇の中を提灯で照らしながら歩いて来る男が、当事者たちの親であることを知り、間を取り持ち、和解させるのです。

書き入れ原文

まねへもん 十一

まねへもんハ、さまざまの恋のありさまを見て、かへるさの道すがら、なまめかしき、まへがミの、二八斗(ばかり)のふり袖を、tもなひゆく。後より来たりしが何か是もおもしろそふなるありさまと、後をしたいけるに、かたわらの草むらへ座して、心中のありさま。それよりイチャツキしまをおもひ切り、そふそふに立ちのき、てんやがはまへわたる。

中野愛梨コメント

彼が親子を和解させたという記述は、次の絵の中に書かれています。

絵師紹介:鈴木春信

享保10年(1725年)?-明和7年(1770年)

江戸時代中期の浮世絵師。京都に出て学び、後に江戸に住んだといわれる。

美人画の浮世絵師として名高く、礒田湖龍斎に顕著な影響を与えた絵師である。春信の描く女性は、小柄な身体、か細い手足、繊細な表情で魅了する。やさしい色彩を用いて叙情性に優れた錦絵作品は、後世にまで大きな影響を与えた。当時の高名な江戸美人も描いている。

また、浮世絵版画における「錦絵」技法の大成者としても知られる。当時の旗本らが薬種商人らと協力して、金に糸目をつけずに画期的な多色摺りの技術を開発し、絵暦交換会を開催した。様々なデザインの絵暦が競って作られ、やがて錦絵の流行に発展していった。

[*注]絵暦(えごよみ)…江戸時代に文字の読めない人にも理解出来るように絵や記号等で工夫して表現したカレンダー。

耳であじわう《艶声春画》

当記事に掲載したように、《艶声春画》イベントでは、春画の解釈や書き入れなどを、耳で聴いてわかりやすい言葉で解説したり朗読したりしてゆきます。

お仕事帰りなどに、しっとりした艶声のひとときをお過ごしください。

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